ROEデュポン分解
事業が何ひとつ強くならなくても、ROEは上げられます。
借金をして自社株を買えばいい。自己資本が減り、ROEの分母が小さくなるからです。 利益は1円も増えていないのに、画面に出るROEは 10% から 18% に上がります。 そしてスクリーニングは「ROE 15%以上」で、その会社を優良株として拾います。
ROEは 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ という3つの掛け算です(デュポン分解)。 前の2つは事業の強さですが、最後のひとつ財務レバレッジは自己資本が薄いだけで大きくなります。 このツールは、あなたが見ているROEのうち何割が「借入が乗せた分」なのかを分けます。 その割合は 1 − 自己資本比率 と必ず一致する恒等式で、 このツールが決めた線ではありません。
「レバレッジが高いから危険」とは言いません——そう単純化した瞬間、 前受金で回る優良企業や、事業そのものが借入である不動産会社まで切り捨てることになるからです。 業種と負債の中身を見て、格下げの理由を画面に書きます。
用意するもの:決算短信の売上高・営業利益・当期純利益(1ページ目)と総資産・自己資本(2ページ目の連結財政状態)。 前期ぶんも入れると、ROEが上がった理由まで分かります。3分で終わります。
まず動かしてみる
架空の3社です。実在企業の数字は1件も入れていません(財務は3か月ごとに動くので、焼き込めば必ず古くなるため)。
1. どう見るか
端末内にだけ残ります。共有リンクにもOGP画像にも載りません。
判定はすべて比率なので、そろっていれば単位は何でも構いません。
格下げはしません。4つの軸をそのまま読みます。
2. 財務(百万円)
直近期だけでも判定できます。前期も入れると「ROEが上がった理由」の軸が使えるようになり、総資産と自己資本が期中平均ベースになります(四季報などと同じ計算になります)。
| 直近期(T) | 前期(T-1) | |
|---|---|---|
| 売上高* | ||
| 営業利益 | ||
| 当期純利益* | ||
| 総資産* | ||
| 自己資本* |
* の4つ(直近期)は必須です。営業利益は「純利益の中身」の軸に使います。
- ・売上高:決算短信1ページ目の「売上高」(会社によっては営業収益)。総資産回転率の分子になります。
- ・営業利益:決算短信1ページ目の「営業利益」。ROEの分子である当期純利益が、本業の利益とどれだけ離れているかを見るのに使います。赤字は △ や − を付けてください。
- ・当期純利益:決算短信1ページ目の「親会社株主に帰属する当期純利益」。ROEの分子そのものです。赤字は △ や − を付けてください。
- ・総資産:決算短信2ページ目「連結財政状態」の「総資産」(貸借対照表の資産合計)。回転率とレバレッジの両方に使います。
- ・自己資本:決算短信2ページ目「連結財政状態」の「自己資本」。純資産合計から新株予約権と非支配株主持分を除いたものです(短信には自己資本比率と一緒に載っています)。
短期借入金+長期借入金+社債+リース債務。有価証券報告書か、証券会社アプリの財務欄に出ています。 入れると「レバレッジの中身が借金なのか、買掛金・前受金のような事業上の負債なのか」を分けられます。 有利子負債が総資産の 5% 未満なら、レバレッジの判定を1段下げます。
計算はすべてこの端末の中で終わります。入力した数字はサーバーに送られません。